
シド・ミードの描いたロサンゼルス2019
「ブレードランナー・ホワイトドラゴンカット 5」冒頭のロサンゼルス2019シーンが完成しました。
冒頭シーンの最大の見どころは、シド・ミードがプロダクションスケッチで描いたロサンゼルス2019の完全再現シーンです。
ミードのスケッチにはブックストアビルの正面と側面に特徴的な4連の電光掲示板と光るオブジェが見て取れます。
<本シーンのベースとなったシド・ミードのプロダクションスケッチ>
残念ながら、これらの特徴的な電光掲示板と光るオブジェは映画のセットでは実現されませんでした。
詳しくは以下の記事をご一読ください。
Blenderとの戦いの4年
さて、シド・ミードの描いたロサンゼルス2019を、ホワイトドラゴンカット5の冒頭シーンで完全再現しようと決意したのが2018年のことです。それ以来、このシーンの作成に4年を費やしてしまいました(^^;)
本シーンは、Blenderで作成したCG映像と実写シーンをAfter Effectsで合成して作られています。
Blenderを使ったことのなかった僕は、とりあえず作りながら勉強するという方法でCG映像を作ってきました。まさにBlenderとの戦いの4年間でした。
それだけに、作品の4年間の変遷を改めて見てみると感慨深いものがあります。
ロサンゼルス2019のブループリント
さて、CGシーン作成にあたってミードのスケッチと合わせて参考にしたのが本作セットのブループリント(青写真)です。

映画のセットでは実現されなかった4連の電光掲示板と光るオブジェが描かれています。ブループリント作成の段階ではミードのプロダクションスケッチを実現する方向で計画されていたことがうかがえます。
ブループリントから見えたロサンゼルス2019のもう一つの姿
ここで、ブックストア正面の4連の電光掲示板をよく見てみるとミードの描いたデザインと若干の違いがあることがわかります。
ミードのデザインは上下が円弧を描いた細長い板状の掲示板なのに対し、ブループリントのものは上下どちらか一方のみが円弧を描くものになっています。
しかも、交互に上下逆さまに並んでいます。
初めこのブループリントを見た時、僕はこのブループリント版の掲示板もミード版のものと同様に板状になっていると思い込んでいました。けれどその後、別の形状の可能性のあることに気づきました。
それは、板状ではなくシリンダー形状です。
ミードのスケッチのブックストア側面は2つの光るオブジェが描かれていますが、このうち左側のオブジェがシリンダーの形状をしています。

ブループリントのブックストア側面には、このシリンダー形状のオブジェが描かれています。このオブジェと同じものをストア正面に4つ設置するという計画だったとしても違和感を感じません。
となると、ブレードランナーファンとして思うことは一つ、、、
「もし、ブックストア正面の4連掲示板がブループリント通りに作られていたら一体どの様になっていたのか?」
とうこと。
早速作ってみました。
いやあ、これは相当ぶっ飛んでますね!
このブループリント案が実現していたと想像すると、結構ワクワクします。
次はチャイナタウンだ!
さて、ようやくロサンゼルス2019の呪縛から逃れ次のシーンの作成に入ります。
つぎはこれ、

チャイナタウンだ!