
シド・ミードの描いたチャイナタウン
ロサンゼルス2019シーンの編集を完了し、チャイナタウンのCG作成をスタートしました。
シド・ミードが映画「ブレードランナー」のために描いたチャイナタウンのプロダクションスケッチを完全再現します。

ミードは非常に魅力的なチャイナタウンの光景を描いています。しかし残念ながらミードのチャイナタウンは映画では再現されませんでした。
映画ではチュウの眼工房のシーンの前にブラッドベリービルの前の通りがワンカット映ります。ブラッドベリービル自体は映らないので、よく見ないとこの通りがブラッドベリービルの前だとは分かりません。

ヌードルバー「WHITE DRAGON」が設置されている。
また、チュウの眼工房自体はリドリーヴィルの中に作られました(通りを挟んだヌードルバーの反対側)。

眼工房の奥にアニモイドロウ、左側に「ANACO MART」の「レストラン」の看板が見える。画面には映っていないが「ANACO MART」の前にヌードルバー「WHITE DRAGON」がある。
元になった場所はどこ?
さて、「ブレードランナー・ホワイトドラゴンカット5」ではこのシーンをミードの描いたチャイナタウンに置き換えます。
まずはチャイナタウンのCGを作成します。
作成にあたって、ミードが描いたチャイナタウンの元となった場所を確定してみようと思います。ミードはブレードランナーのプロダクションスケッチを描くにあたって、ロサンゼルスのワーナーブラザース・スタジオ内の野外撮影所の建物を元にしています。
例えば前回まで編集していたロサンゼルス2019のダウンタウンの元となった場所は「ワーナーブラザース・ニューヨーク・ストリート」という場所です。
ミードはワーナーブラザース・スタジオ内にブレードランナーのセットを作ることを前提にプロダクション・スケッチを描いていたわけです。
この例から鑑みて、チャイナタウンのプロダクションスケッチの元となった場所もワーナーブラザース・スタジオ内にあると仮定できます。
まずは、ミードのスケッチをチャイナタウンの平面図を書いてみます。

次に、ワーナーブラザース・スタジオ内にこの平面図に似た場所がないかGoogleマップで探してみます。
すると、ニューヨーク・ストリートのすぐ側に平面図に似た場所が見つかりました。
ミードのスケッチと並べて比較してみます。
地下への階段の位置が若干違いますが、建物の形状と配置はほぼ同じです。
ブレードランナー・ホワイトドラゴンカット5では、この場所のGoogleマップを元にCGIチャイナタウンのレイアウトを作成していきます。
次回はいよいよCGIの作成です。