リジェクトされたサウンドトラック
ジェリー・ゴールドスミスがイメージしていた
もう一つのALIEN
ジェリー・ゴールドスミス
映画「エイリアン」のサウンドトラックを書いたのは米国の作曲家ジェリー・ゴールドスミス
アクション映画のサウンドトラックを書いたら、おそらく彼の右に出るものはいないだろう。
ナショナルフィルの演奏で録音された「エイリアン」のサウンドトラックは、ゴールドスミスらしいダイナミックな楽曲の中に、印象的な旋律を織り込んだ彼の代表作の一つとも言えるサウンドトラックだった。
映画公開前に発売されたアルバム(LP)には、そんなダイナミックなゴールドスミスの楽曲が多数収められていた。
しかし公開当時、映画公開前にLPを聴いて映画を観たファンは大きな違和感を感じたに違いない。公開された映画本編にはLPに収録されている曲が殆ど使用されていなかったからだ。
LPの曲が使用されていたのはホンの数カ所のみ。こともあろうにオープニング曲やエンディング曲までリジェクトされていたのだ。
リジェクトされたサウンドトラック
なぜ、ゴールドスミスのサウンドトラックはリジェクトされてしまったのか?
映画作成時に、監督リドリー・スコットがゴールドスミスとの打合せを殆ど行わなかった事が、大きな原因だと言われている。リドリー・スコットは、ダイナミックな曲ではなく無機質で静かな曲を欲していたようだ。
その結果、サウンドトラックが完成した後になって、リドリー・スコットはゴールドスミスにオープニング曲の書き換えを行わせている(映画で使用されたのはそちらのバージョン)
また、オープニング曲以外は、ゴールドスミスの過去作「フロイド/隠された欲望」の音楽を流用、エンディング曲には現代クラシック作曲家ハワード・ハンソンの「交響曲第2番」を使用した。完成された作品を観て、ジェリー・ゴールドスミスは激怒したという。
ジェリー・ゴールドスミスがイメージした「ALIEN」を完全再現する
「ALIEN WhiteDragonCut」では、リジェクトされたジェリー・ゴールドスミスのサウンドトラックを本来あるべき場所に戻す。
リソースは2007年にサウンドトラック専門レーベルINTRADA(米)から発売されたエイリアンの完全版サウンドトラックCD
本CDにはゴールドスミスが「ALIEN」のために書いた全ての楽曲が収められ、リーフレットにはリジェクトされた楽曲が本来どの部分に使用されるはずだったかが詳細に記載されている。
WhiteDragoCutではこのCDをリソースに、ジェリー・ゴールドスミスがイメージしていた「ALIEN」を完全再現する。