最終脚本を忠実に再現

最終脚本を忠実に再現

1981年2月23日付けの脚本が、ブレードランナーの最終脚本だ。
しかし、ポール・M・サイモンの「メイキング・オブ・ブレードランナー」によれば、フィルムの編集段階でいくつかの変更が行われた。

中でも特筆すべき変更は映画の流れが大きく変えられた次の3点だ。

  1. ゾーラの殺害からデッカードとレイチェルのラブシーンまで
  2. デッカードとレイチェルのラブシーンからセバスチャンのアパートまで
  3. デッカードとロイの死闘

「BladeRunner WhiteDragonCut ver.4」(以下「WDC4」と記載)では、AとCを脚本通りに変更
「BladeRunner WhiteDragonCut ver.5」(以下「WDC5」と記載)では、更にBを脚本通りに変更し、1981年2月23日付け脚本の完全再現を目指す。

万華鏡のように散りばめられた349個にも及ぶ追加カット

万華鏡のように散りばめられた349個にも及ぶ追加カット

WDC4では、現在入手できる未使用カットのほぼ全てを本編に追加した。
追加した未使用カットには僅か1秒ほどの短いものも存在する。
追加に当たっては、当該カットが本編のどのシーンのものなのかを秒単位で見極めなければならず、カットの分類に数ヶ月の時間を要したが、最終的に追加されたカットは345カットにも及んだ。

WDC5では、WDC4で追加を断念した4カットを更に追加し、未使用カット全てを網羅する。

「全ての未公開カットを網羅したブレードランナーが観たい。」というブレラニアンの夢が今ここに実現するのだ。

こだわりのカラーコレクトとスクラッチ除去

こだわりのカラーコレクトとスクラッチ除去

追加した未使用カットは色調整されていないため、そのまま本編に組み込むと違和感が生じてしまう。そこで、WDC4では未使用カットを本編映像に合わせカラーコレクトを行なった。

そして、WDC5では未使用カットに付いたままになっているスクラッチ(フィルムの傷)の完全除去を実施
スクラッチ除去は専用ソフトで行わず、スクラッチひとつひとつを目で確認しながら手動で除去

除去に要する膨大な時間と引き換えに、WDC5は本編と追加シーンの違和感のない流れを手に入れる。

撮影されたなかったシーンを新たに創造

撮影されたなかったシーンを新たに創造

WDC4では、最終脚本にありながら予算等の問題で撮影されなかったシーンを完全再現した。

  • アパートの天井に隠れるレオン
  • 凍りついたチュウ
  • ゾーラのスネークダンス 等

WDC5では「凍りついたチュウ」「ゾーラのスネークダンス」をリメイクし更なる高みを目指す。

シド・ミードが描いた2019年のロサンゼルス

シド・ミードが描いた2019年のロサンゼルス

シド・ミードがブレードランナーの為に描いたプロダクションスケッチの中には、2019年のロサンゼルスの姿を描いたものが多数ある。そのどれもがネオンが輝き綺羅びやかでありながら、重々しくダークな雰囲気を持つ。

映画の撮影にあたっては、シド・ミードのスケッチを元にリドリー・ヴィルが作られたが、それはスケッチのほんの一部を再現したに過ぎない。

WDC5では、シド・ミードが描いたリドリー・ヴィルのプロダクションスケッチの完全再現に挑戦し、2019年のロサンゼルスを余すことなく描ききる。