映画で再現されなかったシド・ミードの描いたチャイナタウンをCGIで完全再現!
今回はパート3、電光看板の作成です。
判別不能の中国語
ミードの描いたチャイナタウンのプロダクションスケッチには中国語で書かれた電光看板が多数描かれています。
恐らく、ミードは中国語の雑誌か写真を参考にしてこれらの中国語を描いたと思われます。まずはこれらの漢字を解読することから作業を始めました。
しかし、残念ながら殆どの漢字を判別することは不可能でした。ミードは漢字の雰囲気だけを模写したのだと思われます。
例えば、右端の「CDXT」と書かれた看板に描かれている漢字は「墓」「基」「豊」に似ていますが完全に合致するものはありません。
左端の看板に描かれているのは「香」に見えなくもないですが微妙に違います。
最終的に、僕も雰囲気だけ似た漢字で代用することにしました。
龍光堂
ミードの描いた漢字は「墓」「基」「豊」に似ていますが中国語で「ホール」を意味する「堂」にしました。「堂」の前にはホールの名前を示す漢字がくると想定し「龍光堂」としました。
仙楽
ミードのイラストには漢字が二文字描かれています。一文字目は「東」でしょうか。二文字目は判読不可能です。女性が描かれていることと、手前の看板をホール名にしたことから「仙楽(妖精の音楽)」としました。
本看板のCGを作成した後に気づいたのですが、女性のイラストはビーチに佇む女性の写真ではないでしょうか。女性のバックに対岸が写っているように見えます。何かの映画のポスターを参考にしたのでしょうか。ひょっとして「東宝」だったりして。
拉麺
漢字は全く判読できません。「G」の様なイラストは丼からすくった麺の様に見えることから「拉麺(ラーメン)」としました。
大楽新 Restaurant
このイラストも漢字の判読は全くできません。「大楽新(ルミネ)」としました。
動く電光掲示板はどのようにアニメーションするのか?
さて、ミードのイラストには上記看板とは別に文字やイラストがアニメーションするのではないかと思われる電光看板も存在します。
ミードがどのようなアニメーションを想定していたかは知る術がないですが、イラストの形や文字とイラストの配置の関係などからアニメーションを想像するのはとても楽しい作業でした。