
近況報告
TwitterとFacebookでご報告の通り、2ヶ月ほど前から右腕に痺れと痛みがありマウスを操作できない状況になっていました。
首と肩のMRIでも異常は見つからず原因は不明のままですが、腕の痛みはほぼなくなりました。痺れはまだ残っているのですが暫く様子を見ることになりました。
ここ2ヶ月ほどホワイトドラゴンカットの編集をストップしていましたが、少しずつ再開しようと思っています。
スピナー離陸地点の変更
以前から触れていますが、ホワイトドラゴンカットではデッカードとガフを乗せたスピナーの離陸地点を映画のものから変更しています。
変更する理由は、映画通りの離陸地点だとヌードルバーから離陸地点に向かうデッカードとガフの挙動がとてもヘンテコになってしまうからです。(詳細はこちらの記事で)


After Effectsによる合成
早速「スピナーテイクオフ」シーンEパートのテスト編集を行います。
本シーンはデッカードとガフを先導する警察官がスピナーまで走ってやってくるシーンです。
このカットのバックの建物をCGのブックストア画像に置き換えます。
オリジナルカットでは走ってくる警察官を追ってカメラが移動します。このカメラの動きを上手くトラッキングしてCG画像をカメラの動きに合わせることができるかどうかの検証を行います。あくまでの検証用のテスト編集です。

まず、バックの映像となるブックストアのCG映像を作成します。今回はテスト合成のため動画ではなく静止画で作成しました。

建物の奥に見えるのはスネークピット
オリジナルカットのバックの建物をこのCG映像に置き換えるにはオリジナルカットの建物をマスキングして削除する必要があります。
このマスキングもテスト合成たのめラフに切り取りました。

マスキングした映像のバックにCGのブックストア映像を合成します。

モーションのトラッキング
さて、カメラの動きを追尾するモーショントラッキングについて。
ブレードランナーが撮影された80年代にはモーショントラッキングの技術がなかったため、オリジナル映像からカメラの動きをトラッキングするのは至難の業です。なにせスモークや雨がトラッキングの邪魔をするんですよね。
特に今回のシーンはカメラの動き幅が大きいため、全編を通してトラッキングポイントとなるオブジェクトも存在しません。
正直いって無理かなと思っていたんですが、全編にわたるトラッキングポイントがなくても上手くカメラの動きを追尾できる方法を見つけてしまいました。
詳細を書くと長くなるので今回は割愛しますがモーショントラッキングの精度が上がったと感じています。

いよいよ離陸!
本テスト編集でモーショントラッキングが上手くいくことが分かったため、これより本編集に入ります。
バックのCG映像は動画にし、スネークピットのチューブの中にはダンサーが踊る予定です。
本シーンが完成すると、次はいよいよスピナーの離陸シーンです!
<メイキング・ビデオ>