先日、ブレードランナー・ホワイトドラゴンカット5は4Kで編集、Full-HDでリリースとアナウンスをしましたが訂正します。
ブレードランナー・ホワイトドラゴンカット5はFull-HDで編集、Full-HDでリリースとなります。
変更の理由は、SD画質の未公開シーンを4Kにアプコンした際にオリジナル4Kとの画質が余りにも違いすぎるためです。
SD画質のアプコンはFull-HDまでが限界ですね。ただし、CGと合成する一部のシーンについては4Kで編集する予定です。
また、編集環境を「Final Cut Pro」「Shake」から「Premiere Pro」「After Effects」へ完全移行しました。使い慣れた「Final Cut Pro」「Shake」ですが、「Final Cut Pro」は最新版の「Final Cut X」と全く互換性がないし、「Shake」は既に販売が終了しています。これらのソフトは最新のMacOSでは動かないので、いつか環境を移行する必要があったわけですが、Full-HDでの編集に切り替える今回のタイミングで思い切って移行しました。
さて、Full-HDで一から編集をやり直しているわけですが、高画質での編集をしてみると今まで気づかなかったことに気づくことが多々あります。
例えば、ホワイトドラゴンカット4で使用したこのメインタイトル

未公開シーン集に収録されている別バージョンのメインタイトルを使用している。
これはブレードランナーのボーナスディスクに収録されている未公開シーン集にあった別バージョンのメインタイトルです。WDC4ではこの別バージョンのメインタイトルをそのまま使用していました。
水滴が上から下に落ちてくる映像は、映画ラストのロイの台詞「Like tears in rain」を暗示するようで、僕のお気に入りのメインタイトルです。しかし、今回改めてみてみるとタイトル文字が水滴の左右に別れて表示されるためあまり目立たないことに気づきました。また、水滴のバックの青い部分に結構なノイズがのっています。
水滴を残しながらタイトル文字を目立たせたい
というわけで、オリジナル版のメインタイトルと別バージョンのメインタイトルのいいとこ取りをすることにしました。
ちなみに、これがオリジナル版のメインタイトル

オリジナル版のメインタイトルに別バージョンの水滴だけをクロマキーで合成することにしました。幸いにも水滴のバックが青一色だったので細かな調整なしのボタン一発で合成完了!
クロマキー合成に使ったのは「Premiere Pro」の「スーパーキー」というエフェクトですが、凄すぎます!「Shake」のクロマキーは当時(約15年前)としては最高クラスの精度を誇るクロマキーだったんですが、これ程の精度ではなかったと思います。解像度がSDからFull-HDに上がったというのも精度が上がった理由の一つだと思いますが、15年の技術の向上には正直驚かされました。

タイトル文字は水滴と重なっても見やすいように若干のグロー効果をかけています。また、水滴の色は映画本編の色合いと合わせました。
う〜ん、僕的には両方のいいとこ取りで満足していますが、いかがでしょうか?