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    スピナー、ピラミッド群を飛行 Part2

    ピラミッド群を飛行するスピナーのシーンのメイキング第二回です。

    工業地帯はどこにあるか?

    今回はピラミッド群の奥にある工業地帯の作成です。
    LA市街地、工業地帯とタイレルピラミッドの位置関係は映画では触れられていません。ホワイトドラゴンカットではそれぞれの位置関係を以下地図の様に設定してみました。

    主要な場所の位置関係をマッピングした地図(矢印はデッカードとガフの移動を示す)

    工業地帯はピラミッドタワー群とタイレルピラミッドの間にあることにしました。
    LAPDを飛び立ったデッカードとガフはピラミッドタワー群と工業地帯を抜けタイレルピラミッドに向かいます。
    工業地帯を飛ぶスピナーの映像はオリジナル版で既に描かれています。ホワイトドラゴンカットではポリス・スピナーがピラミッドタワー群を抜け工業地帯へ入るシーンを新たに作成します。

    アナログ時代の奇跡のシーン「冥界風景」

    ブレードランナー・オリジナル版の冒頭で描かれている工業地帯とタイレルピラミッドを映したショットは、CGのない時代に驚く様な技法で撮影されています。
    それは手前にある建物は精密なミニュチュアで作成し遠くにある建物は薄っぺらい真鍮(しんちゅう)の板で作成、それを手前から奥に何層にも並べて設置し撮影したというものです。
    この驚くべき技法で撮影されたシーンは映画中で最も幻想的なシーンとなり、撮影スタッフの間では「冥界風景」と呼ばれました

    デジタル時代の「冥界風景」

    ホワイトドラゴンカットでは新たに追加するカットをCGで作成します。冥界風景の雰囲気を継承しながらも建物の密度を上げたいと思っています。

    スピナー飛行シーンの前半部分が完成しました。前半シーンではスピナーがLA市街地からピラミッドタワー群を通り抜け工業地帯へとはいります。
    本シーンは夜明けという設定なので他シーンに比べ明るめに作っています。

    <テクニカルデータ>

    • 3Dグラフィック・・・Blender
    • マッピングデータ・・・Adobe Illustrator・Adobe Photoshop
    • コンポジション・・・Adobe After Effects
    • アップコンバート・・・Topaz Video Enhance AI
    • 色調整・・・Black Magic Design DaVinci Resolve・Re:Match V2・Light Wrap Fantastic
    • ノイズリダクション・・・Neat Video V5 Pro
    • 編集・・・Adobe Premiere Pro
    • レンダリング・・・Adobe Media Encorder

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