結果発表
ロサンゼルス2019シーンの(A)色調整後と(B)色調整前の映像のどちらがブレードランナーっぽいのか?


多くの皆さんからご回答を頂戴しました。結果はほぼ満場一致で「(A) 色調整後」でした。
回答に添えられていたご意見の一部をご紹介させていただきます。
- ブレードランナーの世界は、環境破壊により人類の大半は宇宙の植民地(オフワールド)に移住してるので地上はスモッグで靄ってるのでは!?なので(A)
- 「ブレードランナー」なら(A)ですね、(B)は「AKIRA」の雰囲気に近いと思います。
- (A)ですね〜ブレードランナーは見えそうで見えない作りこまれたディティールで見るものの想像力を掻き立てるところが魅力だと思いました。
- ムードは断然に(A)なんですが、とても暗いかな。どちらかというと2049に近い感じです。逆に(B)は、煌びやかな未来都市でそれも、ブレードランナーの要素なんですが、明る過ぎるかと。なので中間かなあ。
- The adjusted one has richer colour, but loses definition of the background buildings with the added black.
色調整されたものはより豊かな色ですが、暗いので建物のディテールが失われています。 - (A) – but with the tall building lights brighter, and a slight bit of rain or more fog.
(A)ですが、ビルディングのライトがもう少し明るい方がいいです。また雨と霧をもう少し多くした方がいいと思います。
ご意見の中に「AKIRA」に言及されているものがあります。時代設定も世界観もよく似た二つの作品ですが、表現の方法が違っていることを認識させられました。
上記以外にも沢山のご意見を頂戴しました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
暗い方が巨大感が出るという謎
さて、皆さんからの回答とご意見を参考に、また僕自身も何度も二つの映像を比べてみて、(A)を採用する事にしました。
ただし、「もう少し明るい方がいい」といったご意見もありました。カラースキームは「ブレードランナー2019」のものと合わせていますが輝度についてはどちらかというと「ブレードランナー2049」よりなのかもしれません。
そこで、輝度を上げたものを作ってみました。
A-1がオリジナルです。数字が上がっている方が明るくなっています。
中央奥のピラミッドタワーを見れば明るいものの方がディテールがよく見えることがわかります。
ところが、不思議な事に暗くてディテールが見えないものの方が巨大感が増していると思います。頂戴したご意見の中にもありましたが、見えないことで私たちの想像力が掻き立てられ脳内で補正されているのかもしれません。
さて、上記3種類のものから1つを採用しようと思っているのですが、最終決定は本シーンの前後のシーンとのバランスを見て決定しようと思います。残念ながら、本シーンに続くリドリーヴィルのフライスルーショットは現在CGのHDレンダリング中のため決定は約1ヶ月後になると思います。
ポリススピナーとブリンプの修正
今回、色調整するのにあわせいくつかの修正を行いました。
- ポリススピナーのレンズフレアの修正
ポリススピナーのレンズフレア効果を、こちらの記事でご紹介したシド・ミードのこだわりのレンズフレア効果に変更しました。 - ブリンプのサーチライトの修正
従来はシーンの途中でサーチライトのスイッチが入り点灯するという設定にしていましたが、シーン最初からサーチライトが点灯している設定に変更しました。
これにあわせ、サーチライトがカメラレンズに差し込んだ際のレンズフレア効果を追加しています。
ロサンゼルス2019・色調整版
A-1の色調整、ポリススピナーとブリンプの修正を行ったものをアップします。