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    ブリンプに書かれている奇妙な日本語

    ブレードランナーの舞台となるリドリーヴィルの上空に浮いているブリンプ(飛行船)、このブリンプのボディには奇妙な日本語が多数描かれています。

    Blimpの表面に貼り付けられた多くの日本語

    これらの日本語は、当時の日本の雑誌に掲載されていた見出しや広告を切り貼りしたものです。
    写真から判別できたものを以下に記載します。意味不明なものについても映画製作当時(1981年前後)の日本のニュース等から予測してみました。

    女性自身

    女性自身

    1958年創刊の光文社による女性週刊誌
    創刊時はアメリカの「Seventeen」と提携したファッション雑誌だったが、後に女性週刊誌として大幅に方針転換されていった。
    [女性自身 ウエブサイト]

    cinefex

    cinefex

    80年創刊された映画の視覚効果に特化した隔月誌
    創刊号は「エイリアン」と「スタートレック・モーションピクチャー」だった。
    [Cinefex ウエブサイト]

    南雲吉和ナグモ美容形成外科

    南雲吉和
    ナグモ美容形成外科

    日本の美容外科の草分け、南雲吉和医学博士と博士のクリニック名
    現在は「ナグモクリニック」として長女・長男さんによって引き継がれている模様

    千代田クリニック

    千代田クリニック

    古川正重

    古川正重

    前述、千代田クリニックの院長。
    書籍も出している。

    落合博満

    落合博満

    いわずと知れた日本のプロ野球界を代表する選手の一人
    ロッテ在籍中の1981年に打率.326で首位打者のタイトルを獲得している。その時の記事の一部かもしれない。
    [落合博満 ウィキペディア]

    花王 ハイトニックシャンプー

    花王 ハイトニックシャンプー

    愛の終わり

    愛の終わり

    1981年に日本のフォークグループ「音つばめ」がリリースしたシングル曲「愛の終わりに」の広告の一部か?

    「女性自身 合併号」の表紙にある記事タイトル「有名人 大特集 第1部 この人たちの「愛の終わり」 」 の一部

    引退して彼と幸せな

    引退して彼と幸せな

    1981年に長渕剛との婚約記者会見を行った石野真子の記事の一部か?

    「女性自身 合併号」の記事タイトル「田代みどり、引退して彼と幸せな同棲中」の一部
    田代みどりさんは鳥取県出身の歌手・女優です。1961年「パイナップル・プリンセス」が大ヒット。1960年に日活「善人残酷物語」で映画デビューしています。
    [田代みどり ウィキペディア]

    日本酒

    日本酒

    これは雑誌からの切り抜きではなく手書きのような気がする。

    実物大型紙

    実物大型紙

    この頃の女性誌には、洋裁・手芸等で使える実物大の型紙が付いていたんですね。

    ここに記載した日本語は、コピペでCGのブリンプにマッピングしています。

    Blimpにマッピングした日本語

    最後にもう一つ、
    ブレードランナーに登場する日本語について独自に研究をされているきむらかずしさんが、ご自身のウエブサイトでBlimpの日本語についても検証をされています。
    きむらさんによると、「女性自身」1981年8月27日・9月3日合併号の記事が大元になっているとのこと。
    不思議なことに、きむらさんが掲載している日本語と今回僕が掲載したものと結構違っているんです。
    おそらくリソースの写真が違うためだと思われますが、まだまだ発見されていない不思議な日本語が数多く存在しているのかもしれません。

    〈きむらかずしのホームページ|ブリンプの観察〉

    〈追記〉
    ブレードランナーファンの方から追加の情報を頂戴しました。
    世界的なブレードランナー研究の第一人者の一人である(故)NYzeki氏が「女性自身」1981年8月27日・9月3日合併号を入手し、日本語の元ネタを確認されています(やっぱりNYzeki氏は、とんでもなくクレージーな方だったんだ)。
    僕が記載した内容の一部に間違いがありましたので、取り消し線を入れて修正しました。

    〈ALL THAT BLADE RUNNER by NYzeki|女性自身 昭和56年 8月27日・9月3日号〉

    2 Comments

    1. きむらかずし | | 返信

      お〜、この写真はクリアにいろいろ読めますね、すごい!
      私の元ネタは「ブリンプの観察」に書いた通り「(1) 最初の劇場公開時の映画パンフレット、 (2) cinefex という特撮雑誌のブレードランナー特集、 (3) 上記のバンダイによる翻訳本」なんです。

      • kazuchoice | | 返信

        先陣を切って研究されていることに本当に感謝しています。
        きむらさんが研究された頃と比べて、今はネットで簡単に写真が入手出来てしまいますから。
        ブレードランナーのフィルムの一コマ一コマに詰め込まれた膨大な情報量のリソースが、公開から30年以上経ってようやく現実の電脳世界に解放されだしたという所でしょうか。

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