撮影されたなかったシーンを創造
ブレードランナー・ホワイトドラゴンカット5
2019年11月公開(間に合ったらね)
映画の中盤、デッカードとガフはレオンが宿泊しているホテルの一室を調べます。
レオンはホテルに帰っておらず、デッカードはタンスの中にしまわれた多くの写真と浴槽に残された鱗を見つけます。
この発見が、後にゾーラ発見に繋がります。
さて、本シーンには予算と時間の関係から撮影されたなかったシーンが存在します。
それは、ホテルの浴室の天井にレオンが張り付いて隠れていたというもの。絵コンテも存在します。
ブレードランナー・ホワイトドラゴンカット4では、このリジェクトされたシーンを他の映画のよく似たシーンをペタペタと貼り付けて作り上げました。けれど決して満足出来る仕上がりではありませんでした。
というわけで、ホワイトドラゴンカット5では一から作り直します。
本シーン、僕が以前から悩んでいたのはレオンは浴室の天井のどこに隠れていたのかということ。絵コンテでは天井のえぐれた部分にレオンが張り付いています。しかし、これではデッカードとガフに容易に見つかってしまうと思うんですよね。
唯一考えられるのは浴槽の上の天井に張り付いていたというもの。この場合、バスカーテンが閉まっていれば見つかる可能性は低い
しかし、残念ながらデッカードが浴槽で鱗を見つけるシーンを見ると、バスカーテンは開いた状態になっています。
ところが!なんと未使用シーンの中に、ガフがバスカーテンを開けるシーンがあったんです。つまり、もともとバスカーテンは閉まっていた。
これなら、レオンがバスカーテンで隠された浴槽の上の天井に隠れたとしてもおかしくありません。
撮影されるはずだった本来の進行に沿って検証してみます。
- ホテルに入ってすぐデッカードが浴室に入る。
このとき、バスカーテンが閉まっていたためデッカードはレオンを見つけることなく浴室を出る。 - ガフが浴室に入り、バスカーテンを開ける。
しかし、ガフは天井を見ることなくトイレを済まして浴室を出る。 - 再度、デッカードが浴室に入る。
しかし、バスタブの鱗に気を取られ天井を見ずに浴室を出る。
これならレオンを上手く天井に隠れさせることができそうです。
3Dでレイアウトするとこんな感じです。
ホワイトドランカットでは絵コンテ通りの2種類視点を使って天井に隠れたレオンを創造します。