Blade Runner White Dragon Cut5 – シド・ミードがブレードランナーのために描いた2019年のLAをCGで再現する ‘シド・ミードLA-CG再現計画 ‘
レンダリング画像に発生するノイズ
随分更新を滞ってました。この間、延々とやっていたのはレンダリング画像に発生する謎のノイズの除去
これまでレンダリングした画像には、ところどころノイズが発生していました。レイトレーシングによってレンダリングする場合、サンプリング数が少ないとノイズが発生します。レイトレーシングでは(その名の通り)光を追尾してオブジェクトがどう見えるかをシュミレーションするわけですが、サンプル数が少ないと光を追尾できない場合があり、追尾できなかった箇所がレンダリングされず点となってノイズになるわけです(たぶん^^;)。
じゃあ、サンプル数を上げればいいかというとそんなに単純な話でもなく、サンプル数を上げればノイズはなくなるもののレンダリングに時間がかかるようになります。一枚の静止画をレンダリングするだけなら2倍の時間がかかっても我慢の範疇ですが、24コマ✕20秒の動画となると話は別です。しかも今回は動画のレンダリングには有料のレンダーファームを使うので、なるべくレンダリング時間は減らしたいわけです。
というわけで、なるべく時間をかけずにノイズが無くなるギリギリのサンプル数を求めて、ここ数週間試行錯誤していました。
原因はサンプル数ではなかった
サンプル数の割り出しは最終書き出しの条件でやらないと意味がないので、僕の非力なMacBook Airで7時間ほどかけて(オブジェクトが増えたので静止画のレンダリングでもこんなに時間がかかるようになってしまった)レンダリングした結果を確認。サンプリング数の設定を変えて更にレンダリングし結果を比較
と、こんな事を延々とやっていました。レンダリングに7時間かかるので一日にレンダリングできるのはせいぜい1回です。1日待って結果を比較し、設定を変えて1日待つという日々がずっと続いていました。
ところが、サンプル数を変えてもノイズが一向に減らない!もう発狂しそうになりました(笑)。
「サンプリング数がノイズの原因ではないのではないか」と思いネットを調べ始めました。ところが、検索してヒットするページに書かれている解決策はやっぱりサンプリング数の設定
そんなとき、ノイズが明るいシーンに集中して発生していることにようやく気づきました。「これはひょっとして光源の設定に問題があるのかもしれない。」そう思って、光源のノイズについて更に検索、、、ついに解決策について記述しているウエブサイトを見つけました。
結論:Blenderでは、光源が小さいとノイズが発生する!
出典:https://www.blenderguru.com/articles/7-ways-get-rid-fireflies
ノイズ、完全除去!
バグなのかどうかはわかりませんが、Blenderでは光源が小さいとホタルのようなノイズが発生するようです。
Ridleyvilleのモデリングでは、店舗の光源には(映画のセットにならい)細長い蛍光灯を並べて配置していました。また、アパートメントの部屋の光源には直径10センチほどのダウンライトを配置していました。この光源のサイズがノイズの原因だったわけです。
今回、全ての光源を1メートル四方の大きなオブジェクトに置き換えました。
置き換えただけでは大きな光源がカメラに写り込んでしまうため、光源オブジェクトそのものはカメラや窓ガラスに写り込まないように設定しました。光源がカメラに映らないなんてことは自然界ではあり得ないことですが、CGではありなんですね。なんかインチキした気分
映画のセットにあった細長い蛍光灯は再現できなくなりましたが、ノイズは完全になくなりました。いや〜長い道のりだった〜。
I need to catch up on editing !
さてさて、ノイズの問題が解決し編集作業を追い上げます。
街全体のモデリングと汚れを含む質感設定はほぼ終わっています。店舗内やアパートメントの部屋も作り込みました。
残っているのはヌードルバー、車両、パーキングメーターと街を行き交う人々です。ここまで来たらやりきらないとね。