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    トム・サウスウエル氏からのメッセージ:シド・ミードのチャイナタウン完全再現

    映画で再現されなかったシド・ミードの描いたチャイナタウンをCGIで完全再現!
    メイキングです。

    シド・ミードの描いたチャイナタウンのプロダクションスケッチ

    前回の記事でシド・ミードがチャイナタウンを描くにあたって元にしたワーナーブラザース・スタジオ内の野外撮影所を推定しました。あくまで「もしシド・ミードがチャイナタウンのスケッチの元にした場所があればここではないか?」という推定の域を出ないものでした。

    しかし、「ブレードランナー」でプロダクション・イラストレーターを務められたトム・サウスウエル氏から前回の記事に宛てて次の様なメッセージを頂戴しました。

    This part of the Warner Bros. backlot was not available for BladeRunner as preparations for ANNIE were occupying the space. Syd Mead’s outstanding sketch had to be fit in elsewhere.

    ワーナーブラザースのこの野外撮影所は「アニー」の準備で占有されていたため「ブレードランナー」では使われなかったのです。シド・ミードの素晴らしいスケッチは別の場所で再現するしかなかった。

    Tom Southwell on Facebook トム・サウスウエル(フェイスブックより)

    つまり、ミードがチャイナタウンのスケッチを描くにあたって参考にしたWBスタジオの野外撮影場所は、映画「アニー」の準備のために使うことができなかったわけです。
    これで、ミードの描いたチャイナタウンはWBスタジオの野外撮影場所をベースにしていたことが確かになりました。

    ここで改めてミードのスケッチと野外撮影場所のストリートビューを見比べてみます。

    ミードのスケッチ
    ストリートビュー(ワーナーブラザース・スタジオ)

    ビルディングの形状、配置がぴたりと合っています。また、右側ビルの店舗入り口にある三本の柱も一致します。ミードがいかに正確にスケッチを描いていたかを伺うことができます。

    さて、チャイナタウンのベースとなった場所が確定したのでCGIの作成に入ります。
    Blenderにはオープンストリートマップから建物や道路のデータをインポートする機能があるので、このワーナーブラザース・スタジオの野外撮影場所のデータを実寸でインポートし、それをベースに作り込んでいくことにします。

    貴重な情報をお送りいただいたサウスウエル氏にこの場を借りて心より御礼申し上げます。
    氏はFacebookにブレードランナー関連の撮影当時の貴重な資料をアップされています。ぜひご覧ください。

    トム・サウスウエル氏のFacebook

    つづく・・・

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